適応障害を正しく知る⑥ 休養期に絶対避けるべきNG行動とは?

適応障害

適応障害の休養期は、治療における最初のステップとなる大事な時期です。
心身のダメージを癒やし、エネルギーの充電に専念することがポイントとなります。

前回の記事(→こちら)で、休養期の目的は「ストレス因子から物理的、心理的に距離をとり、ストレス因子へのとらわれの悪循環から抜け出すこと」というお話をしました。

その名の通りしっかりと「休養」するためには、避けるべきNG行動があります。

どれもついついやってしまいがちなのですが、適応障害からの回復を遅らせてしまったり、症状を悪化させてしまう可能性があります。

私の失敗談もふまえ、この記事では休養期に避けるべきNG行動4つについてお話します。

~私の適応障害エピソード~

若手内科医として子育てをしながらフルタイム勤務中、パワハラをきっかけに適応障害を発症。8ヶ月間の休職を経て回復し、復職。

NG行動① 職場と連絡をとる

(※こちらは、特に仕事上のストレスが原因で休職した、というシチュエーションで注意すべき行動です。)

適応障害の休養期には、職場と連絡をとらないようにしましょう。
職場からの連絡は、ストレス体験を呼び覚まし、回復の妨げとなることがあります。

私の場合、休職直後には上司や同僚から立て続けに心配のメッセージが届きました。

その内容は私の体調を気遣うもので嬉しかった反面、「返事をしなければ」とプレッシャーを感じ、発症直後の私には大きな負担となりました。

やり取りをするたびに辛い記憶がよみがえり、パワハラを追体験しているような気分になってしまいました。

また、休職当初は窓口となっている上司から、2週間に1回の頻度で状況確認の連絡がありました。

「体調どう?よくなってきた?」
「いつくらいに復帰できそう?」

このような何気ない言葉にプレッシャーを感じ、

「まだよくなってない、私やっぱり回復が遅いのかな?だめなのかな?」
と不安や焦りを味わいました。

せっかく体調が良くなっても、連絡が来るたびに元通りになってしまう感覚があったのです。

主治医に相談したところ、以下のようにコメントがありました。

治療の一貫として、職場とはしっかりと距離をとりましょう
窓口の先生とも最低限の事務連絡のみにして、基本的には連絡を取らないようにしてください。

「なるほど、職場と連絡をとらないことが、治療になるのか!

職場と頻繁に接触があることで、自分の回復が遅れていたのだと気づき、目からウロコが落ちました。

上司には、主治医からの指示もあり、連絡は最低限のみにしてほしいということを伝えました。

休職直後には頻繁だった他の上司からの連絡もおさまり、ようやく職場から心理的にも離れて休めるようになりました

後に読んだ適応障害に関する本にも、以下のように記載がありました。

(職場側の対応として)メールやスマホなどで直接コンタクトをとることは避けて、家族を介して連絡をしましょう。
きちんとストレス因子から離れないと、症状が悪化して治療が長引いてしまいます

(浅井逸郎 著『心のお医者さんに聞いてみよう 「適応障害」ってどんな病気?』より)

繰り返しになりますが、休養期にはストレス因子から物理的にも心理的にも距離を取ることが重要です。

私の場合、休職したことで一見職場から離れたようにみえても、連絡をとることで心理的に距離をとれていませんでした。

知らず知らずのうちにNG行動をとってしまっていたんですね。

実際には体調が悪いのに、職場は「そろそろ回復してきたんじゃないか」と思っている、といった形で双方の間に認識に乖離があるケースも多いです。

中途半端に職場と連絡を取ってしまうと、相手が悪気なく発した言葉によってネガティブな感情が引き出され、なかなか心が休まらない状態が続いてしまいます。

休養に専念するために、ストレス因子となった職場とは連絡を断ち、連絡を取るにしても相手を限定し、最低限の連絡のみにとどめましょう

NG行動② 無理をする

休養期は、自分が思っている以上に疲れやすい状態にあります。
この時期にぜったいに無理をしないことが重要です。

たとえば、適度な運動や趣味活動は気持ちをポジティブにする効果はありますが、無理をすると逆効果になることがあります

私自身も、過度な運動をして失敗した経験があります。

当時不眠で悩んでいた私は、運動をした方がよく眠れると思い、初心者にもかかわらず難しいヨガを試したり、きつい筋トレのレッスンにチャレンジしたりしていた時期がありました。

適応障害の発症直後の体力が落ちた状態にもかかわらず無理をしたことで、レッスン後はリフレッシュどころか、かえって疲労感やだるさが増し、心の状態も悪化してしまいました。

途中で自分が無理をしすぎたことに気がつき、気持ちがいいと思える程度の運動にとどめ、体調の悪いときはお休みする、という形でゆるく楽しく運動をするスタイルに切り替えました

体と心はつながっており、無理をして体が疲れてしまうと心にも悪影響を及ぼします。

いまの状態をよくしたい!と思って頑張ってしまいがちですが、自分の体調に合わせて無理のない範囲で活動を行うことが大切です。

NG行動③ SNSやニュースを見る

休養期には、むやみやたらにSNSやニュースを見るのはやめましょう

適応障害の発症直後はネガティブ思考の渦のなかにいて、ただでさえ脳が疲労しています。

ネットを通した過剰な情報によって、余計に脳疲労が悪化するリスクがあります。

特に、SNSには幸せで楽しそうな投稿が溢れています。
こういった投稿が目に入ると、適応障害でボロボロになっている自分の現状と比較し、ネガティブな気分になりやすいです。

また、ネットニュースには暗い話題が多く、不安や恐怖、といった感情が増幅してしまいます。

私も休職直後に何もやる気が起きず、ベッドに寝転びながらスマホをひたすらいじっていた時期がありました。
SNSやニュースを見て、気分が落ち込んだり動揺したり、ショッキングな話題を見て怖い気持ちになることもありました。

こうした経験から、なるべくスマホから離れ、ネガティブな気持ちを呼び起こすような情報を避けることが重要だと痛感しました。

不安定な休養期では、自分を上手くコントロールできず、一度スマホを見るとなかなかやめられなくなりがちです。

スマホを見えないところに隠す、通知をオフにするなどして、スマホと距離を取る工夫をするのがオススメです。

情報を制限することで心を落ち着け、回復に専念しましょう。

NG行動④ 中毒性があるものへの依存

適応障害の休養期には、アルコールやたばこなど、中毒性の高いものに頼るのはNGです。

こういったものは一時的に気分を紛らわせることができるかもしれませんが、長期的には健康を害し、依存症に陥るリスクがあります。

特に、適応障害により精神が不安定な状況では、自分を制御できずに依存症に陥る危険性が高まります

私自身は、カフェインや砂糖との付き合い方にも注意が必要だと感じました。
休職当初、日中の眠気に対してコーヒーを飲んで目を覚まそうとして何杯も飲んでしまい、かえって夜に眠れなくなることがありました。

また、甘い物を食べることで一瞬気分が晴れるため、ついついスイーツを食べ過ぎてしまうこともありました。
ネガティブで不安定な時ほど衝動食いしてしまい、血糖値スパイクによる眠気に襲われたり、体がだるくなったりした経験もあります。

(※血糖値スパイクとは、食後に血糖値が急上昇、急降下することを指します)

依存性の高いものや刺激の強いものは、体への負担が大きいです。

前回の記事(→こちら)で、「休養期のうちのフレイル期では、ストレス体験について考えないようにするために戦略的現実逃避をしよう」という内容のお話をしました。

しかし、アルコールやたばこで現実逃避するのは、「消極的」現実逃避であり、NGです。

一瞬の快感のために、将来の害になるようなものに頼るのはやめましょう。

まとめ

適応障害の休養期にやってはいけないNG行動についてお話しました。

休養期にしっかりと心身を休めるためには、下記のポイントに注意することが大切です。

①職場との連絡を断つこと
②無理をしないこと
③SNSやニュースを避けること
④中毒性のあるものに依存しないこと

適応障害からの回復は一朝一夕ではありません。
ただし、NG行動を避けることで回復までのプロセスがスムーズになります。

私自身の失敗談も含め、参考になれば幸いです。

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