適応障害を正しく知る② 症状について

適応障害

この記事では、『適応障害の症状』についてわかりやすくお伝えしていきます。

前半は適応障害でみられる一般的な症状に関して、後半は適応障害を発症した私が経験した症状に関して、お話しします。

ぜひ最後まで読んで頂けたら嬉しいです。

~私の適応障害エピソード~

若手内科医として子育てをしながらフルタイム勤務中、パワハラをきっかけに適応障害を発症。8ヶ月間の休職を経て回復し、復職。

適応障害でみられる症状

適応障害の症状はメンタルだけではない

適応障害と聞いて、どのような症状を思い浮かべますか?

「うつ」っぽくなるイメージがあるなぁ

落ち込んだり、不安になったりするんじゃない?

いわゆる『メンタル不調』を思い浮かべる人がおおいかもしれません。

しかし、適応障害でみられる症状は精神的なものだけではありません
身体面の不調や、行動の異常もみられるなど、症状が非常に多岐にわたります。

以下が、適応障害で認める主な症状の例です。

  • 精神的な症状
    憂うつ、不安、落ち込み、恐怖、緊張、落ち着きのなさ、集中力の低下、イライラ  etc
  • 身体的な症状
    だるさ、睡眠異常(不眠 / 過眠)、食欲の変化(増加 / 減少)、頭痛、肩こり、動悸、胃部不快感 etc
  • 行動の異常
    アルコールや喫煙の増加、身近な人への暴力、万引きなどの反社会的行動、対人恐怖、引きこもり、無断欠席 etc

いかがでしょうか?

「え、こんな症状もみられるの?」と意外なものもあるかもしれません。

精神的な症状としては、皆さんがイメージにもたれている憂うつ、不安といった症状以外にも、集中力の低下、イライラなど、一見関係のなさそうな症状も見られることがあります。

身体的な症状もさまざまです。
睡眠に関しては不眠だけではなく過眠も起こりえます。食欲に関しても増える場合、減る場合どちらもありえます。
肩こり、動悸や胃の不快感といった身体の不調として現れることもあります。
これらは、病院で検査をしても異常が出ません

また、行動異常がみられる点も重要です。
飲酒や喫煙の量が増える、周りの人へ暴力を振るうといった行動も、適応障害の症状かもしれないのです。

見逃さないで!適応障害のサイン

注意点としては、①適応障害の症状は人によって違うということ、②時期によって症状が変わることがあるということです。

適応障害は症状がわかりにくかったり、ストレス因子からはなれると元気だったりするので、本人も周りも不調に気づけない、ということがよく起こります。

また、適応障害になる人は完璧主義で真面目な方が多いです。
不調があっても「自分の甘えなのではないか」と思い込み、もっと自分を追い込んでしまう場合があります。

適応障害は心だけでなく身体や行動にも症状を起こすことを正しく理解し、早めにサインに気づけるようにしましょう。

適応障害を発症したワーママ女医の実例

私が適応障害を発症した際にみられた症状について、具体的にご紹介します。

前回の記事でも書いたように、私は数ヶ月の経過でさまざまなストレス因子が積み重なった結果、適応障害を発症しました。

上司からのパワハラをとどめに心身に様々な不調が現れて休職に至りましたが、いま思えば休職の1~2ヶ月前からすでに異変は起きていました

すでにこの時点で、適応障害を発症していたのかもしれません。

私が経験した症状について、①休職する前、②休職時にわけてお話します。

休職する前からみられた症状

精神的な症状

  • イライラ
    些細なことで夫にイライラし、ケンカが増えていました。
    また、イヤイヤ期の子どもにもイライラしてしまい、笑顔で接することができなくなっていきました
  • 焦り
    上司からパワハラされないためにはどうしたらいいのか、いかにパフォーマンスをあげるのか考え、とにかく焦っていました。
  • とにかく心の余裕がない
    家でも仕事のことで頭いっぱいで、育児やプライベートな時間への関心が薄れていました

身体的な症状

  • 過眠、睡眠が浅い
    休職直後は不眠になりましたが、その前は逆に過眠傾向にありました。
    具体的には、布団に入ったら3秒で寝付き、8~9時間ほどたっぷり寝ていましたが、翌日に眠気が残る状態でした。

    目覚めると首や肩がこわばっており、寝ている間も力んでいて眠りが浅かったのだと思います。
  • 体重減少 
    仕事が多忙すぎて昼食を摂る暇がなかったのもありますが、体重が2ヶ月で2~3kg減りました
    エネルギー不足で、帰宅後にはぐったりして家事も育児もままならない状態でした。
    健康的な痩せ方ではなく、気力もありませんでした。
  • 全身の凝り
    休職直前は、毎週末マッサージにいかないと身体がもたない状態でした。
    「ここ最近きたお客さんのなかで一番凝ってます。何かあったんですか?」と心配されるほどでした。

行動の異常

  • 保育園の送迎ができない
    時間的には余裕があっても気力がなく、夫に保育園の送迎を任せる日がだんだんと増えていきました。
  • 砂糖やカフェインへの依存
    ストレス解消のため、砂糖やカフェインといった依存性の高いものを欲するようになりました。

休職直後にみられた症状

精神的な症状

  • 憂うつ
    気分の落ち込みがあり、(大げさかもしれませんが)人生に絶望していました。
  • 恐怖
    パワハラされたときの映像が頭から離れず、思い出すと涙が出る状態がしばらく続きました。
  • 不安
    仕事を休んでしまったことへの負い目や、先が見えない不安がつきまといました。

身体的な症状

  • 不眠
    寝る前にネガティブな感情が浮かび寝つけず、悪夢をみて夜中に何度も目がさめました。
    その結果、日中は常に眠気がありましたが、寝るのが怖くて昼寝もあまりできない状態でした。
  • 食欲低下
    食欲が落ち、食べられそうなものを無理に食べていました。
    甘いものを食べると一時的に気分が明るくなったため、スイーツを欲することが多かったです。
  • 倦怠感、全身の凝りの悪化
    眠れていないせいか頭が重く、だるさが常にありました。
    ストレスから緊張状態になり、凝りが悪化しました。

行動の異常

  • 仕事にいけなくなる休職
    朝起きると仕事のことが頭に浮かび、涙が止まらない状態が1週間ほど続きました。
  • 外出できない、人と会うのを避ける
    気力がなく、休職後1ヶ月程度はほとんど外に出られませんでした。
    保育園の先生との会話ですら重荷に感じ、しばらくは送迎を夫に任せていました。
  • 家事ができない
    料理など頭を使う家事ができず、最低限の家事のみおこなっていました。

気づけなかった『ストレス因子へのとらわれ』

前述のように、休職時には強い抑うつがあったり、仕事のことを考えると涙がでたりするといった明らかな異常がみられたため、自分も家族も気がつくことができました。

しかし、それ以前からみられていた不調については軽く捉え、自分にムチを打つかのように働き続けてしまいました。

当時は、「仕事や育児で疲れているだけだ、休めば何とかなる」と考え、マッサージにいったり、スイーツを食べたり、表面的な気分転換で紛らわせるだけでした。

しかし振り返ると、この時点ですでにストレス因子へのとらわれがありました。

  • パワハラされないためにはどうしたらいいか、という思考回路にとりつかれる
  • 育児を満足に出来ていないことに対する自己嫌悪に陥る
  • 自分の努力や能力が足りていないと自分を責めつづける

※適応障害の診断基準には、『ストレス因子へのとらわれ』があることが重要です。
(→前回の記事を参照)

ストレス因子が積み重なるなか、こうしたネガティブな思考がどんどん増幅していきました。

しかし、私は自分さえ頑張れば、自分さえ我慢すれば乗り越えられるだろうと考え、問題を向き合うことをしなかったのです。

心や身体が出していたサインにもっと早く気づくことができたら、適応障害が本格的に進むまえに対策できていたかもしれません。

まとめ:適応障害のサインに早めに気づこう

いかがでしたでしょうか?

適応障害は心だけでなく、身体や行動面にも影響を及ぼす病気です。

一見すると適応障害だとわかりづらい症状もあり、本人も周りの人も見逃してしまっているケースがあります。

まずは適応障害で認める症状について正しい知識をもち、自分の心や身体が発しているサインに気づくこと、そしてストレス因子へとらわれていることを早めに自覚することが重要です。

いま何らかのストレス因子が原因で不調のある方、周りにそのような人がいる方は、ぜひ一度立ち止まって考えてみてください。

すでに適応障害になった方も、自分の症状の経過をふりかえることが、適応障害の再発予防に役立つはずです。
辛い経験を思い出すのはエネルギーを使うので、体調が安定してきた頃がおすすめです。

少しでも参考になれば幸いです。

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